この記事では、秩父札所21番・観音寺から江戸巡礼古道を歩き、札所23番・音楽寺へ向かうコースを画像付きで紹介します。

今回紹介するのは、童子堂跡地の近くにある江戸巡礼古道の入口を経由し、長尾根みちを歩きながら「メープルの森」や「としまの森」を経て、札所23番・音楽寺を目指すルートです。

ただし、秩父札所巡り初心者の方が江戸巡礼古道を歩く場合、注意すべき点も多くあります。せっかく楽しみにしていた秩父札所巡りが、計画通りに進まず疲弊…なんていう事態は避けたいですよね。

そこでの記事では、江戸巡礼古道のハイキングを楽しむための注意点・所要時間・順路を画像付きで詳しく紹介します。この記事を最後まで読むことで、楽しく江戸巡礼古道を歩くことができるようになりますよ♪

江戸巡礼古道とは?

江戸巡礼古道について

「江戸巡礼古道」とは、札所21番あたりから25番へと続く尾根道のことを言います。

秩父札所巡りの歴史を今に伝える巡礼ルートで、江戸時代に巡礼者たちが庚申信仰の地・野面坂を越えて秩父札所を巡った道です。山や谷を越える道中には石仏や石標が点在し、当時の巡礼文化や信仰の面影を感じながら歩ける、秩父観光やハイキングにも人気の古道です。

この江戸巡礼古道は、尾田蒔丘陵と呼ばれる場所にあり、およそ50万年前のものと考えられている地層で構成され地形としても価値のある場所とされています。

江戸巡礼古道の「長尾根みち」とは?

江戸巡礼古道の地図を見ていると「~みち」と呼ばれる場所が登場します。細かな定義は不明ですが、一般的には札所21番~24番までを「長尾根みち」24番~25番を「久那みち」と呼んでいる資料が多い印象です。

また、札所21番からアスファルトの舗装された道を経て札所22番・童子堂へと向かう道は「明治巡礼古道 寺尾みち」と呼ばれています。と言うのも、札所22番は、明治時代に童子堂跡地のある場所から現在の場所へと移ったため、この「明治巡礼古道 寺尾みち」が発達したのです。

この記事では、札所21番から札所22番へと向かう寺尾みち(明治巡礼古道寺尾みち)を通るのではなく、札所21番の少し先にある分岐(馬頭尊と小さな薬師堂の間にある脇道)を右折し、童子堂跡地の近くにある江戸巡礼古道 長尾根みちを経由し、札所23番を目指すルートを紹介しています。

注意!江戸巡礼古道は、秩父札所22番を通らない

江戸巡礼古道は、札所21番から25番へと続く道のことを言いますが、今回紹介するルートをそのまま歩くと札所22番には行きません。

そのため、札所21番から23番へと歩き、さらに24番~25番を目指す場合、以下のような選択肢があります。

1.札所21番から明治巡礼古道を経て札所22番へ。その後、一旦来た道を引き返して、江戸巡礼古道へと入る。

2.札所21番から江戸巡礼古道を経て札所23番へ。その後、坂道を降りて、札所22番へ。そして、坂道を再び上り、江戸巡礼古道へ戻ってから札所24番を目指す。

3.札所22番は別日程で巡礼する。

たいていは上記の3パターンになりますが、特にどれが正解ということもありません。

“順打ち”にこだわる場合は、パターン1.の選択肢となりますが、そもそも秩父札所巡りの楽しみ方は自由です。1日で江戸巡礼古道を歩く必要も無いので、お好きなタイミングで複数回に分けるのも楽しみ方の1つです。

ちなみに、ブログ管理人がこの記事を作るにあたって写真を撮影した日は、札所21番から江戸巡礼古道を経て札所23番へ。その後、坂道を降りて、札所22番へ。そして、そのまま秩父市街地へと戻り、その日の巡礼は終了としました。

江戸巡礼古道(秩父札所21番 観音寺~札所23番 音楽寺)を歩く際にかかる時間は?

ここからは札所21番・観音寺から江戸巡礼古道を経由し、札所23番・音楽寺へ歩く場合の所要時間やルートについて解説します。帰りの電車の時間などを計算するために、また、秩父観光を効率的に楽しむために、ぜひこちらの情報をうまく活用してください。

所要時間

スタート地点となる秩父札所21番・観音寺から英道巡礼古道を経て、札所23番・音楽寺へ向かうコースの所要時間は、約35分です。

ただし、これはあくまで成人男性の場合なので、体力や足腰に自信がない人は、もう少し多めに見積もって良いでしょう。

順路と時間配分

約35分の順路と時間配分も確認していきます。

↓↓↓

1.札所21番・観音寺から、江戸巡礼古道と明治巡礼古道との分岐へは、約1分
2.江戸巡礼古道へ繋がる道路から、江戸巡礼古道への入口へは、約10分
3.江戸巡礼古道の入口から、竹林の倒木エリアへは、約5分
4.竹林の倒木エリアから、三角点付近へは、約5分
5.三角点付近から、メープルの森へは、約5分
6.メープルの森から、札所23番・音楽寺へは、約10分

上記は、基本的に道なりのルートなので、迷うことは無いでしょう。

簡略版ルートMAP

上記に簡単な地図も掲載しておきます。

ですが、こちらはあくまで簡略化したものとなります。

特に、江戸巡礼古道の入口~札所23番・音楽寺のルートは、以下の画像のように直線的ではありませんのでご注意ください。

 

江戸巡礼古道(秩父札所21番~23番)の順路を画像で紹介!

さぁ、いよいよここからは、画像付きで順路を紹介していきます!

(1)江戸巡礼古道と明治巡礼古道との分岐へ

今回は、秩父札所21番・観音寺での参拝を終えたタイミングをスタート地点とします。
(札所21番・観音寺について詳しく知りたい方は、☞「秩父札所 第21番 要光山 観音寺」の記事をご参照ください)

 

この札所21番・観音寺は県道沿いにあり、交通量も多く大きな輸送トラックも頻繁に通るため注意が必要です。必ず歩道を歩きましょう。

また、観音寺の脇には観光トイレがあります。出発前に、ここでしっかりと用を足しておきましょう。

 

札所21番を背にして、札所22番・23番方面へ1分ほど歩くと、右側へ分岐するT字路へ差し掛かります。

ここが、札所22番へと向かう寺尾みち(明治巡礼古道寺尾みち)と、札所23番へと向かう江戸巡礼古道(長尾根みち)への分岐となります。今回は、この道を右側へと進みます。

ちなみに、この右側へと続く道の両端には、馬頭尊と小さな薬師堂があります。

(2)江戸巡礼古道の入口を目指して坂を登る

こちらの道は、交通量もほとんど無く、アスファルトの歩きやすい道です。

 

ただ、少しずつ登坂になってきて、坂を登るにつれて少しずつ道幅が狭くなり、背の高い雑木林の道を進んでいきます。

 

道なりに進んでいくと、うねった坂道が。人気の無い場所ですが、この道は丘陵の反対側・秩父市蒔田を繋ぐ府坂峠の入口でもあります。たまに車も通るので注意しましょう。

(3)江戸巡礼古道の入口へ到着

江戸巡礼古道(長尾根みち)の入口へと到着しました。道路の左側に、江戸巡礼古道(長尾根みち)の入口があります。

 

ちなみに、この道路の右側には、かつての札所22番・童子堂があった童子堂跡地があります。現在は看板が残されているのみ。跡地を示す目印などを確認することはできません。

童子堂跡地は、看板以外に見るべきものは無いのですぐに引き返すことになりますが、童子堂跡地に行ったことが無い方はぜひ一度は訪れてみてください。

(4)直坂(すぐざか)を越え、いざ江戸巡礼古道をゆく

さぁ、いよいよ出発です。奥へと進みます。

 

江戸巡礼古道の入口には、延命地蔵尊。我々の旅の安全を見守ってくれています。

 

入口から続く、この細い坂道は、「直坂(すぐざか)」と呼ばれる場所です。

 

新緑が美しい4月でしたが、足元は枯葉だらけ。サクサクとした足元の感触を楽しみながら、緩やかな登りの道を真っすぐ進んで行きます。

 

巡礼道と書かれた案内は見かけますが、目印になるものや、石仏などもありません。

 

「こんな雰囲気が続くなら気持ちのいいハイキングコースだな」…しかし、この先に思いがけず恐怖と向き合うことになるなんて、この時の僕はまだ知らない。

(5)突然の難所!竹林の倒木が現れる

直坂から5分ほど登坂を進むと…道を塞ぐ無数の竹!竹!竹!まるで誰かが意図として道を塞ぐように倒れかかっています。

 

しかも、足元には大きな丸太まで…!誰かが来るなと拒んでいるかのような不気味さを感じました。

 

それまで明るい春の日差しに照らされていた道も、倒木のせいか暗い雰囲気へと変わってきます。

 

誰かが出てきそうな雰囲気。それでも、勇気を出してここをくぐり抜けるしかありません。

 

こういう場所があることはなんとなく先達の方々のブログで知ってはいましたが、未だに存在しているとは思っていませんでした。「午年総開帳の年だから、きれいに整備されているかなぁ~」なんて気楽な気持ちでいましたが。

 

なんとか気持ちの悪い場所を抜けましたが、この難所を潜り抜けた後も、まだまだ倒木している箇所はありました。

その後も大きな木をくぐったり、跨いだりしながら、緩やかな坂道を登り続けます。

 

ところで、こちらは私の靴…かなりすり減ったスニーカーです。ちょっとヒヤリとするような場所もありましたので、やはりスポーツ靴や登山靴をおすすめします。

(6)三等三角点付近の案内板

難所エリアを抜けても、枯葉の坂道は続きます。

 

「三等三角点 寺尾へ 5分」と書かれた木板です。厳密には、この場所は三等三角点ではなく、ここから5分の場所に寺尾の三等三角点がある…という案内です。

ちなみに「三等三角点」とは、国土地理院が設置した国家基準点(三角点)の等級の一つです。山であれば標高などを測る場合に設置されるものです。ご参考までに、寺尾の三等三角点は328.4mです。

 

このあたりからは平坦な道が続きます。

 

少しずつ植えられている木の種類も変わってきました。青い空に照らされ、いかにも新緑ウォークという感じ。「長尾根みち」の看板も出てきました。

(7)メープルの森を歩く

コナラの木。

 

メープルの森の看板です。人工的に植樹や手入れがされた心地の良いハイキングコースです。

 

気分爽快に、平坦な道をひたすらに真っすぐ進みます♪

 

気づけば、クマなどの侵入を防ぐためのネットが張られている場所も多くありました。右手には尾田蒔丘陵の裏側にある皆野や小鹿野方面の山々が見えます。画像は、皆野アルプスでしょうか。

 

山の稜線も良く見えてきました。今回は新緑の時期に訪れましたが、葉っぱの散る秋や冬であればもう少しきれいに見えるのかもしれません。

(8)としまの森を歩く

さらに進むと、かなり開けた森に出てきました。植えられている木にも少しずつ変化が。

 

「としまの森」です。

ちなみに「としまの森」とは、秩父市の姉妹都市である東京都豊島区が、整備・管理している約2ヘクタールの森林です。主に、森林整備による二酸化炭素の吸収と、区民向けの自然体験・環境教育の場として活用されています。

2019年に看板が設置され、その横にはその際の記念に豊島区の木「ソメイヨシノ」と秩父市の木「カエデ」が植樹されました。

(9)秩父札所・十三権者の像

森を抜けると、ようやく石仏らしきものが見えてきました。秩父市街地側の山並みもよく見えるように。

 

歩いてきた道を振り返ると、クマ出没注意の看板!

 

石仏らしきもの…それは「十三権者の像」でした。

今回のゴール地点である秩父札所23番・音楽寺の境内を上がった場所に、この十三権者の像はあります。

ちなみに、「十三権者」とは、秩父札所の開創に関わったと言い伝えられている13人のことです。13人の中には、実際に存在したとされる歴史上の人物もいれば、伝説上の神様なども含まれています。

(10)札所23番音楽寺へ到着

十三権者の像の近くには、武甲山や音楽寺の本堂などもよく見える「蝶が舞う花の丘」。素晴らしい眺望です。

 

十三権者の像と蝶が舞う花の丘の間にある細い斜面を下れば、本堂の裏側へ回ることができます。そして、今回のゴールである札所23番音楽寺へ到着。お疲れさまでした!

 

4月中旬。音楽寺の境内は、桜が咲き誇っていました!

音楽寺について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください(☞「秩父札所 第23番 松風山 音楽寺」

 

されど江戸巡礼古道は続く…

さて、今回は、札所21番から江戸巡礼古道を経て、札所23番まで行くルートを紹介しました。

このルートは、春や秋など気候が落ち着いたシーズンのハイキングがおすすめです。
この記事を参考にしながら、江戸巡礼古道を楽しんでいただければ幸いです。

ただし、今回した江戸巡礼古道は、札所21番あたりから25番へと続く尾根道のこと。

つまり、札所23番以降も、まだ先の道が続いているのです。

札所23番から札所24番までの長尾根みちは、以下の「秩父札所23番から札所24番へのコース紹介(長尾根みち)」という記事で紹介しています。