秩父地域にある34ヶ所の秩父観音霊場を巡る「秩父札所巡り」ですが、コロナ禍においては、どのような変化が起きているのでしょうか。
「埼玉県民ではないが、そろそろ行っても問題ないだろうか?」
「札所巡りをするお遍路さんを受け入れてくれるだろうか?」
「秩父住民の方たちから、冷ややかな目で見られないだろうか?」
…という不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2020年9月時点、コロナ禍における秩父札所巡りに関する情報をお伝えします。
目次
1.秩父札所巡り、コロナ禍で納経所の営業時間短縮や閉鎖などはない?
2020年9月現在、秩父札所の納経所の営業時間は、全34ヶ所ともに、平常通りとなっています。
つまり、午前8時~午後5時の間で、御朱印の授与を行っております。(11月1日~2月末日は、午前8時~午後4時)
秩父札所では、新型コロナウイルスの蔓延に伴う緊急事態宣言により、秩父札所の納経所における御朱印の授与は一時中止となっていましたが、2020年6月1日より再開しています。
そのため、各札所の納経所では、これまでと同様に御朱印をいただいたり、御守りやお遍路にまつわるグッズを購入することができます。
2.秩父札所巡り、コロナ禍でイベント中止などはない?
納経所での御朱印授与については大きな問題はないものの、各札所で例年行われていたイベントについては、中止になったり、一般の方の参加できない等…密を避けるための対応がなされています。
札所13番・慈眼寺では、毎年7月8日に行われていた“あめ薬師縁日”のお祭が中止となったり、札所1番・四萬部寺では、毎年8月24日に行われていた大施餓鬼が関係者だけで行われ、一般客はYouTubeでリモート中継で観覧できるなどの対応がなされていました。
“毎年恒例行事”を楽しみに秩父札所を訪れる場合、今年は中止になる可能性もあるので、事前に情報を調べておく必要があります。
3.秩父札所巡り…コロナ禍での参拝における注意点は?
御朱印は通常通りにいただけるので、札所巡りに大きな影響はないものの、参拝時に気を付けるべき点はあります。
秩父札所連合会では、『秩父札所巡礼ガイドライン』を公開し、参拝者の方にコロナ感染防止のための対策協力を行っています。
各札所の境内や納経所などにポスターや注意書きが貼られています。
写真は、札所1番・四萬部寺の山門です。
具体的には、「マスクの着用」、「消毒液の持参」、「2m以上の間隔を空ける」といった対応協力依頼です。
ちなみに、消毒液の持参と記載がありますが、納経所内にある御朱印授与の窓口では、消毒液が設置されたり、飛沫防止のためにアクリル板が設置されるなどの対策を実施しています。
また、一部の札所では、“なで仏”や“お賓頭盧(びんずる)様”と呼ばれる、直接手で触れることでご利益が得られる仏様については、直接触れることを避けていただくような対応がとられています。
4.秩父札所巡り、コロナ禍での疫病退散祈願も
コロナの影響によってイベントが自粛・中止になる一方で、“祈り”の象徴でもある秩父札所では、コロナ禍だからこその動きもあります。
秩父札所連合会では、まだ世間が自粛ムードの5月、『観音さま動きます』という声明をホームページで発表。
お笑いコンビ・ダウンタウンの松本さんがSNSで発した『松本、動きます』的なフレーズ…というのはさておき、各札所では、疫病退散と先亡供養のため、各札所では「8」のつく日に法要を行い、僧侶の方たちのみ疫病退散のための祈願巡礼も開始しました。
また、疫病退散にご利益のある「元山大師(がんざんたいし)」をまつっている札所11番・常楽寺では、元山大師のがモチーフとなった悪疫退散グッズの販売を開始。
これらのグッズは、家の玄関・オフィス・車・身近な生活用品などに貼るなどして、コロナの終息を願う地元の方たちが購入しているそうです。
当サイトの管理人も、この元山大師のシールを購入したご利益か、今のところ、コロナ感染しておりません。
☞参考記事:「悪疫退散!アマビエの次は「元三大師」がブーム?」
ちなみに、秩父のお土産にも変化が。
秩父を代表する名蔵「秩父錦」からは、疫病退散を願った特別ラベルの秩父錦が限定で販売されています。
秩父札所だけでなく、三峰神社・秩父神社・宝登山の秩父三社など、パワースポットの多い秩父地域らしい展開ですね。
5.コロナ禍でも秩父札所巡りは可能…でも細心の注意・配慮を
(写真は、マスクをしている秩父神社の狛犬)
今回は、2020年9月時点、コロナ禍における秩父札所巡りに関する情報をお伝えしました。
結論から言うと、コロナ禍でも秩父札所巡りは可能です。
もともと、秩父札所は混雑するタイミングは少なく、団体観光客も現在では訪れることはほとんどないので、参拝客も例年よりは少なくなっています。
そのため、秩父札所巡りを行う上で、密な状態になる機会はほとんどなさそうです。
しかし、当然ながら、秩父に行くために公共交通機関を利用したり、御朱印をいただく場合には、御朱印や金銭の授受が発生します。
全く人と接触しないという訳にはきませんので、各札所やその道中で出会う方たち、住民の方などへの配慮が必要なのは言うまでもありません。
秩父札所巡りを行う場合も、万全の体調、マスク・アルコールなどの利用、ソーシャルディスタンスを意識することが大切です。
ちなみに、管理人は、この夏、3回ほど秩父札所巡りを行いましたが、マスクを装着しながらも問題なくお遍路が可能でした。
さすがに、急こう配の山道を歩くと、息が苦しくなりますので、その時はマスクを外していましたが、それ以外の場ではずっとマスクをしていました。
9月以降も暑い日が続くで熱中症などには気をつけて、また、急に寒くなるなど寒暖差による風邪なども発生しやすい時期なので体調には十分考慮して札所巡りを楽しみましょう。
そして、各札所では“疫病退散”の祈りもお忘れなく。