札所二十七番・大淵寺(だいえんじ)は、影森駅から徒歩で約10分。
札所二十六番からは、奥の院岩井堂を経由し、琴平丘陵ハイキングコースをたどると、そのゴール地点に二十七番・大淵寺の境内が見えてきます(徒歩で約60分)。
札所二十六番からは奥の院岩井堂を経由しなければ10分ほどで到着できますが、いかにも巡礼道らしい山中の石段を登って目指す奥の院岩井堂や、ハイキングコースの途中にある巨大観音像からの秩父盆地の眺めは必見です。
目次
秩父札所27番・大淵寺の歴史・由来

伝説によると、その昔、諸国の霊場を行脚していた僧・宝明が、難病によってこの地で倒れてしまったといいます。
そこへ弘法大師が立ち寄った際、弘法大師が巡礼のできない宝明に対して、観音像を彫って与えたそうです。
やがて、観音像のご利益によって全快した宝明は、お堂を建てて、その観音像をまつったことがこのお寺のはじまりとされています。
秩父札所27番・大淵寺の御本尊

御本尊は、聖観世音菩薩です。
伝説では弘法大師の作と伝えられていますが、時代や作者は不詳です。
秩父札所27番・大淵寺の見どころ
観音堂(月影堂)

本尊の聖観音がまつられている観音堂は、月影堂とも呼ばれています。
月影堂は、かつて山の上にありましたが、大正8年(1919年)、蒸気機関車の煤煙による火災で焼失してしまいました。
幸い、聖観音は火災を免れ、その後再建された現在の観音堂にまつられています。
本堂

蒸気機関車の煤煙による火災で消失した後、大正11年(1923年)に再建された本堂。
屋根の下に裳階(もこし)が付けられています。
裳階は、元来、風や雨から建物を保護するために付けられていたものとされていますが、その後、法隆寺の金堂や五重塔などの仏塔に付けられるようになりました。
延命水

山門を入って左側には「延命水」と言われる湧き水があります。
その名の通り、ひと口飲むと33日長生きができるという言い伝えがあります。
自然に囲まれた境内
山の下に建つ大渕寺。
緑豊かで、苔むす境内は、とても風情があります。

また、春には境内の桜が美しく咲きます。

秩父札所27番・大淵寺の御朱印

中央の文字は「聖大悲殿」。
聖大悲殿は、大淵寺の本尊である聖観世音がいる場所を表します。
秩父札所27番・大淵寺の御詠歌

夏山や しげきが下の 露までも 心へだてぬ 月の影もり
“しげき(茂き)”とは、草木が生い茂っている様子を表しています。
秩父札所27番・大淵寺の基本情報

宗派 | 聖観世音菩薩 |
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本尊 | 曹洞宗 |
住所 | 埼玉県秩父市上影森411 |
納経時間 | AM8時~PM5時(11月~2月はPM4時まで)※12時~12時30分はお昼休憩。 |
無料駐車場 | あり |
アクセス | (1)秩父札所26番・円融寺から岩井堂~護国観音経由(琴平ハイキングコース)、徒歩で約60分。 (2)秩父鉄道「影森駅」から徒歩10分。 |
秩父札所27番・大淵寺の地図