「秩父札所巡り」とは？
「秩父札所巡り」とは、秩父地域にある全34か所の観音霊場を巡るお遍路巡りです。
秩父札所巡りは、「秩父三十四ヶ所」や「秩父三十四観音霊場」とも呼ばれ、西国三十三ヶ所・坂東三十三箇所とあわせて日本百観音霊場に数えられています。
秩父市街地・横瀬・小鹿野・荒川・皆野など自然豊かな秩父エリアを巡る巡礼道で、その道中には峠を越えたり山を登らなければたどり着けない場所もあります。
札所1番・四萬部寺から札所34番・水潜寺まですべて徒歩で巡礼する場合、約100kmの道程となります。
34か所すべての札所を一巡することを“結願（けちがん）”や“満願（まんがん）”と言い、結願するとご利益を得られるとされています。
そして、秩父三十四ヶ所含めた日本百観音霊場をすべて巡り終えた後に、長野県にある善光寺および北向観音に「お礼参り」をすることが、習わしとして現代にも伝えられています。
秩父札所巡りはいつから始まった？秩父札所の歴史を教えて
秩父札所巡りの歴史は古く、開創は文暦元年（1234年）にまでさかのぼるとされています（諸説あります）。
「十三権者」と呼ばれる権者たちが、秩父を巡ったことが秩父札所の始まりとされています。ちなみに13人の権者とは、閻魔大王・倶生神・花山法皇・医王上人・性空上人・白河法皇・徳道上人・良忠僧都・通観法印・善光寺如来・妙見大菩薩・蔵王権現・熊野権現のことを言います。
そして、江戸時代には多くの庶民が観音信仰巡礼の聖地として秩父へ参拝に訪れ、札所巡りは江戸庶民の間で隆盛を極めました。
1750年（寛延3年）に行われた総開帳の記録によれば、その年の1月～3月に約4～5万人もの人々が巡礼に訪れたとされています。さらに、元禄期や文化文政期には1日に2～3万人もの人が札所を巡ったという記録もあります。
当時、秩父札所巡りの人気を支えた理由の１つに、この時期に始まったとされる「出開帳（でがいちょう）」があります。東京都文京区にある護国寺では、江戸時代に秩父札所の総出開帳が行われ大変賑わったとされていますが、現在でもその名残が境内に残されています。（☞関連記事：「江戸時代に行われた秩父札所の「総出開帳」とは？ ～現代・東京に残るその名残～ 」）
秩父札所巡りの魅力を教えて！
秩父札所巡りの魅力は、なんといっても秩父の大自然・街並み・歴史に触れながら、巡礼を楽しむことができる点です。
そして、都内から西武秩父駅までは急行ラビューで最短70分でアクセスできることから、週末にハイキングがてら気楽に秩父札所を訪れる点も大きな魅力の１つです。お遍路ビギナーにもうってつけの場所です。
もともと秩父地域は、秩父山地に囲まれた自然あふれる場所ですが、古代は海の底にあった地形・地質学的にも注目すべき場所としても有名です。
また、古墳群・和銅遺跡・三峯神社や秩父神社・秩父事件・秩父銘仙・秩父夜祭をはじめとする数多くのお祭など…歴史や文化に溢れた魅力的な街としても有名です。
さらに、最近では大人気のアニメ作品の聖地として、10代・20代の若い世代、日本文化の好きな外国人の観光客も増え、週末の秩父はとても賑わっています。そのため、秩父札所がテレビ番組やアニメなどの映像作品にも取り上げられる機会も増え、秩父札所巡りは再び幅広い世代から注目を集めています。
そもそも「札所巡り」とは？
そもそも「札所巡り」とは、より聞き慣れた言葉では「お遍路」とも呼ばれています。
「お遍路」と言うと、少し抵抗感を持つ方もいるかもしれません。
心の深い癒しを求めるため、乱れた心を落ち着かせ無の境地に達するため、過去の罪を償うため…このように“心に救いを求める方たちが行うこと”というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、最近では、お遍路をする方の目的も多様化しています。健康のため、ハイキングを楽しむため、開運のための御朱印巡りなど…その目的な様々で、よりカジュアルに、より楽しみながらお遍路をしている方も増えています。さらに、日本人だけでなく、外国人のお遍路さんも増えているとか。
もちろん、お遍路が気軽にはじめられるといっても、最低限、心得ておくべき作法・マナーがあります。秩父札所の多くは秩父の市街地の中を巡りますので、周囲の方たちに不愉快に思われたり迷惑をかけたりしないように、最低限の基礎知識は守る必要があります。
当サイトでは、これからお遍路を始める方が知っておくべき作法や基礎知識も紹介しています。
さぁ、秩父札所巡りを始めよう！
当サイトでは、気軽に秩父札所巡りを楽しむことをコンセプトに、秩父札所にまつわる様々な情報を発信しています。
各札所の魅力・見所・ご利益情報はもちろん、札所巡りを始めるために必要なグッズ・巡礼の方法なども紹介しています。
このサイトを事前にチェックすることで、秩父札所巡りを100倍楽しむことができますよ♪
さて、今週末は、秩父の由緒ある寺院で心を落ち着かせ、秩父の歴史・自然・観光スポットを楽しみながらリフレッシュしませんか？
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