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秩父札所 第三十二番 般若山 法性寺

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この記事では、秩父札所32番・法性寺(ほうしょうじ)について、その歴史・見どころ・御朱印・地図・近隣の観光・宿泊施設について紹介しています。

法性寺は、草花あふれる境内や崖の上に建つ観音様が有名で、自然を楽しむ観光客も多いスポットです。

札所31番・観音寺からは、徒歩で約3時間。小鹿野の市街地から赤平川を渡り、大日峠を乗り越え、法性寺を目指します。

秩父札所32番・法性寺の歴史・由来

法性寺は、奈良時代の僧・行基が開創したと伝えられています。

行基は、あの“奈良の大仏”造営の責任者を務めたとされる人物です。

伝説では、その昔、武蔵国豊島郡を領有した武家・豊島氏(豊島権守)の娘が、ある日船に乗っている最中に、悪魚に襲われて溺れていたところを、小船に乗った美女が現れて救ったそうです。

美女は「観音様を信仰する者を助けただけです」と言って立ち去ると、この話を聞いた豊島権守は、秩父の札所を巡って観音様をまつったと伝えられています。

これが、法性寺の御本尊が“お船観音”と言われる由縁でもあります。

秩父札所32番・法性寺の御本尊

御本尊は、聖観世音菩薩です。

法性寺の縁起から、小舟に乗り櫂を持っている姿が大きな特徴です。

法性寺の開創者と同じく、行基の作と伝えられています。

秩父札所32番・法性寺の見どころ

鐘楼門

秩父札所では唯一となる鐘楼門形式の山門です。

上の階には、大きな梵鐘が掛けられています。

門の左右には、朱色の金剛力士像が構える仁王門にもなっています。

さらに門内には、般若の面も掲げられています。

2024年は改修中

鐘楼門は、現在改修中です。(画像は、2024年2月末現在の画像です)

境内には、左脇にある通路から入ることができます。

般若の面

鐘楼門の中に掲げられていた般若の面は、鐘楼門の工事中で見ることができません。

しかし、工事中も、般若の面は、本堂の正面で確認することができました。

緑あふれる境内

境内には、様々な草花が植えられ、花が好きというご住職の想いが感じられます。

春にはつつじ、夏にはヤマユリや桔梗、秋には秋明菊やりんどう、紅葉などが四季折々の美しさをみせてくれます。

“秩父三大みつばつつじの山”、“東国花の寺百ヶ寺”にも選ばれています。

売店

本堂の前には売店があり、納経帳・チャーム・トートバッグ・Tシャツなど秩父札所グッズを購入することができます。

 

法性寺オリジナルデザインの納経帳や、法性寺オリジナルのドリップコーヒーなども販売されています。

 

懸崖造り(舞台造り)の観音堂

宝永4年(1707年)に建立された観音堂は、本堂のさらに奥の崖の中腹に建っています。

子授け地蔵

観音堂の裏には岩窟があり、小さなお堂にはお地蔵様が祀られています。

このお地蔵様は、「子授け地蔵」と言われ、子宝のご利益を求めて多くの女性が訪れます。

ちなみに、このハチの巣状のような多数の穴は「タフォニ」と呼ばれるもので、地質学的にも価値のある場所となっています。このタフォニは、岩石の中の塩類が表面に染み出し、結晶化して岩石の表面を崩したものです。

法性寺ののタフォニは、奥の院へ向かう途中にも所々で確認することができます。

長享二年秩父札所番付

法性寺には、長享2年(1488年)に書かれたとされている秩父札所の番付が残されており、県指定の文化財にもなっています。

当時の番付では、秩父札所は34カ所ではなく33カ所。札所の順番も、現在では札所17番となっている定林寺が札所1番となっていて、現在の番付とは全く異なります。

後に、坂東三十三ヶ所・西国三十三ヶ所と合わせて百観音霊場とするために、秩父札所のみ1ヶ所が追加され秩父札所三十四ヶ所となり、さらに札所巡礼をしやすいように順番があらためられたとされています。

奥の院

奥の院には、岩盤の上に立つ岩船観音(お船観音)や、崖の鎖場の上にまつられた大日如来があります。

観音堂からは標高100m以上もの高さにあり、崖の上から見える秩父の山並みはとても美しく、まさに絶景です。

しかし、5mもの垂直の鎖場をよじ登ったり、観音様が立つ岩盤の上は、足を踏み外したら崖から転落してしまうような危険な場所です。

体力に自信のない方や、高所恐怖症の方には決してオススメできません。

奥の院への入口

観音堂の下には、奥の院へとつながる道があります。

巨石が重なり合ってできた入口は、神秘的なものを感じます。

まるで、沖縄の世界遺産にもなっている聖域・斎場御嶽(せいふぁうたき)のようなたたずまいをしています。

 

奥の院遥拝所

本堂から奥の院へ行くには、往復で約1時間かかります。

上り坂の道となり、体力が求められます。

時間・体力の都合で参拝が難しい場合は、本堂の前に遥拝所(ようはいじょ)がありますので、この場所に立って手を合わせましょう。

毘沙門堂

観音堂の麓には、毘沙門天が祀られた毘沙門堂があります。

毘沙門天は七福神の1つで、戦(いくさ)の神様として知られています。

そのため、勝負運などにご利益があるとされています。

 

秩父札所32番・法性寺の御朱印

中央の文字は「聖大悲殿」。大悲殿とは、観世音菩薩がいる場所を表します。

 

秩父札所32番・法性寺の御詠歌

願わくは 般若の舟に のりをえむ いかなる罪も 浮かぶとぞきく

 

秩父札所32番・法性寺の基本情報

宗派曹洞宗
本尊聖観世音菩薩
住所埼玉県秩父郡小鹿野町般若2661
納経時間AM8時~PM5時(11月~2月はPM4時まで)※12時~12時30分はお昼休憩。
アクセス(1)秩父札所31番・観音寺から徒歩で約3時間。
(2)西武秩父駅から西武観光バス/小鹿野車庫・栗尾ゆき「松井田」で下車。徒歩約4km。
(3)小鹿野町営バス・西武秩父駅線「長若中学校前」下車。徒歩約2km。
無料駐車場あり(普通車なら40台分)

 

大日峠~札所32番・法性寺のルート

札所32番・法性寺へ徒歩で巡礼する際、最もポピュラーなルートが「大日峠」です。大日峠は、秩父札所の中でも難所とされる場所の1つで、人気のハイキングコースでもあります。

\大日峠ハイキングコースの画像はこちら/

 

秩父札所32番・法性寺の地図

 

秩父札所32番・法性寺近くのホテル・旅館

法性寺を参拝する際に、おすすめの宿を紹介します。いずれも法性寺から徒歩で行く場合には、少し距離があります。例えば、須崎旅館に1泊し、早朝から札所32番・法性寺を目指し、その後、33番・34番にアタックしていくなど、特に徒歩巡礼の場合は計画的に宿を決めましょう。

須崎旅館

美人女将が切り盛りをしていることでも知られる地元の有名宿です。貸切露天風呂「柿の湯」や、地元のお肉や旬の野菜などを味わえる郷土料理・地酒の飲み比べができる夕食も楽しみです。比較的リーズナブルな値段も魅力の1つです。

宮本家

●画像:じゃらんnet

大相撲の元幕内・剣武が当主を務める宮本家は、「プロが選ぶ日本のホテル旅館100選」にも4年連続入選した秩父の高級宿です。200年もの伝統ある農家屋敷を改築した古民家風の宿の敷地内では、4ヵ所の貸切風呂・幕末の風景や日本庭園・農園を散策することができます。さらに、蔵barにて食前酒の利き酒や展示室にて秩父の歴史を堪能することもできます。

 

 

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