札所二十五番・久昌寺(きゅうしょうじ)は、札所二十四番・法泉寺からは、徒歩で約90分。
道中には、秩父を代表する日本酒“秩父錦”の蔵元・矢尾本店の醸造工場・酒蔵資料館を通る。
試飲コーナーもあるので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
目次
秩父札所25番・久昌寺の歴史・由来

札所二十五番 岩谷山 久昌寺(いわやさん きゅうしょうじ)のはじまりは、諸説あります。
伝説では、悪行を重ねた女性が一族に見放され、この地の岩屋に住み着き、女の子を出産。
女の子は、母に似ず美しい心を持った女性で、成人してから亡くなった母の菩提を弔うために観音堂を建立しました。
観音堂に行基が作ったとされる聖観音菩薩像をまつったことが、このお寺のはじまりとされています。

このエピソードには諸説あり、「観音霊験記」では、母親の女性が悪行を重ねたことによって鬼になってしまった…という設定になっています。
観音堂には、“奥野の鬼女”として、このエピソードが描かれています。
秩父札所25番・久昌寺の御本尊

久昌寺の御本尊は、聖観音菩薩です。
行基の作とされていますが、室町時代の造像です。
秩父札所25番・久昌寺の見どころ
仁王門

朱塗りの仁王門。
左右には、勇ましい金剛力士像が。
観音堂

岩壁の奥にたたずんでいる観音堂は、江戸時代の建築。観音堂の本尊は、聖観音菩薩像がまつられています。
この欄干部分、鼻の長い動物は獏(バク)です。

弁天池

観音堂の奥には、大きな弁天池が広がり、その奥に本堂や弁天堂が並んでいます。
夏には、仏教世界の象徴である蓮の花が美しく咲きます。

本堂

弁天池の奥にある本堂。
秩父札所では、ほとんどが観音堂=本堂ですが、久昌寺は観音堂と本堂が別になっています。
観音堂には札所25番のご本尊として聖観音菩薩像がまつられ、本堂のご本尊は阿弥陀如来となっています。
秩父札所25番・久昌寺の御朱印

中央の文字は「正圓通」。正圓通とは、観音堂のご本尊・聖観世音菩薩のことをさします。
左手の文字は、「御手判寺(おてはんじ)」。
御手判寺とは、久昌寺の別名で、“御手判”とは、秩父札所を開創した性空上人が夢で閻魔大王から授かった石の通行手形をさします。この御手判があれば、あの世へ無事に行けるとされ、このお寺に納められたと伝えられています。
納経所では、御朱印をいただく際、御手判の刷り物も一緒にいただくことができます。

こちらは、実物の写真。寺宝ですから、実際に見ることはできません。

仁王門にも「御手判寺」の文字が掲げられています。

秩父札所25番・久昌寺の御詠歌
水上は いづくなるらん 岩谷堂 朝日も久那(くな)く 夕日かがやく
秩父札所25番・久昌寺の基本情報
宗派 | 聖観世音菩薩 |
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本尊 | 曹洞宗 |
住所 | 埼玉県秩父市久那2215 |
納経時間 | AM8時~PM5時(11月~2月はPM4時まで)※12時~12時30分はお昼休憩。 |
無料駐車場 | あり |
アクセス | (1)秩父札所24番から徒歩で約90分 (2)バスで西武秩父駅から久那行き20分「久那」下車。徒歩10分。 (3)秩父鉄道「浦山口駅」から徒歩30分 |
秩父札所25番・久昌寺の地図