札立峠から秩父札所34番・水潜寺へ!馬頭尊前スタートのハイキングコースを画像付で紹介

この記事では、札立峠から秩父札所34番・水潜寺へ徒歩で巡礼やハイキングをする方の向けて、そのコースを画像付きで紹介します。
今回紹介するルートは、まずバス停「馬頭尊前」から平石馬頭尊堂を通過し、江戸巡礼古道である山道を経由します。そして、頼母沢の集落を経て、札立峠へと続く山道をハイキングしながら秩父札所34番・水潜寺へ向かうコースを紹介していきます。
ただし、初心者が札立峠を徒歩で楽しむ場合、注意すべき点も多くあります。無計画で挑むと、せっかく楽しみにしていたハイキングがかなりのハードモードになってしまいます。
そこでこの記事では、札立峠を楽しむための注意点・かかる時間・順路を画像付きで詳しく紹介します。この記事を最後まで読むことで、後悔することなく札立峠を楽しめるようになります。
目次
「札立峠」とは?

札立峠(ふだたてとうげ)は、埼玉県皆野町にある、秩父三十四箇所観音霊場の結願寺(34番水潜寺)近くから破風山(はっぷさん)へ続く、新緑や紅葉が美しい自然豊かなハイキングコースです。
水潜寺付近は杉林の急な登りが続きますが、その一方で広葉樹林の穏やかな尾根道もあり、秩父の山々を眺めながら歩ける「皆野アルプス」の一部として人気があります。
札立峠の見どころ
1.秩父巡礼“最大の難所”を越える達成感
札立峠は秩父札所巡りの中でも特に険しい難所として知られています。急登や長い山道を乗り越えてたどり着くことで、他の札所では味わえない大きな達成感を得ることができます。
単なるハイキングではなく、まさに巡礼をしているという実感が強く残るのも魅力です。
2.静寂と自然に包まれる没入感
道中は人とすれ違うことがほとんどなく、鳥の声や風の音だけが響く静寂な空間です。
日常の喧騒から離れ、自然の中に没入できる時間はとても貴重です。特に頼母沢周辺や山道では、まるで別世界に入り込んだかのような感覚を味わえます。
3.“ちょっとした修行感”がある絶妙な難易度
登山ほど本格的ではないものの、気軽な散歩とも違う絶妙な難易度が札立峠の特徴です。
適度な疲労感と緊張感があり、歩き終えた後には心身ともに整うような感覚があります
。巡礼の一部として歩くことで、ちょっとした修行のような体験ができるのも魅力です。
札立峠で徒歩巡礼やハイキングを楽しむ際の注意点は?
札立峠は魅力的な点も多いですが、無計画で行ってしまうと確実にハードモードになります。来なければ良かった…と後悔しないよう、ここに注意点をまとめます。
(1)天気の良い日を選ぶ
できるだけ天候の良い日を選びましょう。晴れていれて秩父の山々の見晴らしが良いというのは当然ですが、雨が降っている日や雨上がりで土がぬかるんでいるような日の登山はハードです。安全面からも天候の良いシーズンを選びましょう。
ちなみに、管理人が初めて札立峠を歩いた際は梅雨明けの暑い夏の日でした。虫もずっと耳元でぶんぶん飛んでいて怖い思いをしました。
(2)バスや電車にタイミングよく乗れる時間を選ぶ
事前にバスや電車の時刻をしっかり調べて計画的に行動しましょう。バスは、札立峠の近くまで行く場合も、札立峠を越えて水潜寺から帰宅する際も2~3時間に1本というレベルです。曜日によっては、さらに本数が少ない日もあるので注意が必要です。
【参考】スケジュールの一例
ちなみにこの記事の写真撮影をした日は平日でした。
●西武秩父駅前から11:10発の西武バス(秩父吉田線)に乗り、約40分。(☞参考:西武バス秩父吉田線)
●11:50頃にバス停「馬頭尊前」をスタートし、約2時間後の14:00過ぎに水潜寺へ到着しました。
●その後、水潜寺のバス停を14:59に出発し、15:20に皆野駅へ到着。(☞参考:皆野町営バス)
●そして、皆野駅から15:49の電車に乗り、御花畑駅には16:03に到着。
●さらに16:24の特急ラビューに乗り池袋へ帰宅しました。
(3)コンビニや売店などは無し!食料・飲料の準備を
スタート地点となる馬頭尊前のバス停近くにはコンビニやお手洗いはありません。さらに、その道中も、そして水潜寺へ到着後も売店はありません。そのため、バス乗車前にお昼ご飯や食料は購入しておく必要があります。暑い夏でなければ、おにぎりやお菓子、ペットボトル1本あればなんとか過ごせます。
(4)登山靴や運動靴が安心
札立峠はハイキングというより登山に近い道です。枯葉などで滑りやすく、雨上がりは特にぬかるみやすくなります。また、木の根につまづいたり、後半は石がゴロゴロしている場所もあります。そのため、すり減ったスニーカーなどは避け、しっかりした靴を選びましょう。
(5)トレッキングポールや金剛杖があるとイ―ジモード
トレッキングポールがあると安心です。巡礼用の金剛杖も代用できます。杖があるのと無いのとでは大違い。また、軍手などもあると良いですね。
ちなみにトレッキングポールを持っていなかったブログの管理人は、木の枝を見つけそこにポテ熊くんの鈴をつけて即席の金剛杖代わりにしました。実用的なメリットはもちろん、杖をつく度に鈴の音がジャンジャン鳴ります。“ここに人間がいるぞ”と熊さんにしっかりとアピールできる気がして心強かったです。
(6)クマ対策
熊の看板には驚くかもしれませんが、実際に生息しています。そのため、熊鈴・ラジオなどで音を出す対策を行いましょう。巡礼用の金剛杖に鈴がついているのは、理にかなっているといえます。また、事前にクマ情報を調べて、数日以内に熊がその地域で出ていれば辞めるなどの判断も必要です。
尚、専門家では無いので無責任なことは言えませんが、巡礼中にクマに襲われた…という話は聞いたことはありません。
しかし、間違いなく熊はいるので、遭遇する可能性はあります。そこは幸運を祈るしか無いのですが、遭遇を回避できる可能性を高める行動は確実に行いましょう。
(7)スマホのバッテリーを確保する

札立峠は遭難をするような場所ではありません。しかし、現在位置の確認やいざという時の連絡手段としてスマホは必須アイテムです。また、音が出せるため、熊除け用のラジオ代わりにもなります。一部電波が届かない場所もありますが、基本的には電波は入ります。
ただし、スマホの充電が無くならないように注意が必要です。モバイルバッテリーがあると安心です。また、モバイルバッテリーが無い場合は、写真撮影は専用のカメラを用意しておくなどすればスマホの充電の消費を避けることができます。
ちなみに西武秩父駅の前では、祭の湯や秩父観光情報館でモバイルバッテリーのチャージスポットがあるので、それを利用するのもおすすめです。
(8)スマホに気を取られないこと
札立峠は、一歩間違えれば急な山の斜面へと転落…なんていう危険な場所も多くあります。
そのため、歩きながらのスマホ撮影は避けましょう。写真は必ず安全な場所で撮影することが大切です。
(9)いざという時の助けは無いと考える
札立峠では、人とすれ違うことはほとんどありません。札立峠の手前に集落などはありますが、そこでも人と遭遇する可能性は低いです。そのため、何かあった際は自己責任。いざという時に助けてくれる人はいません。その前提で準備を整えておきましょう。
札立峠(馬頭尊前~札所34番・水潜寺)を歩く際にかかる時間は?

所要時間
スタート地点となるバス停「馬頭尊前」から札所34番・水潜寺へ向かうコースの所要時間は、約2時間です。
あくまで成人男性の場合なので、体力や足腰に自信がない人はもう少し多めに見積もって良いでしょう。
順路と所要時間
所要時間約2時間の内訳を確認していきましょう。
内訳は以下の通りです。
↓↓↓
1.バス停「馬頭尊前」から平石馬頭尊堂を通過し、江戸巡礼古道の入口へは約10分。
2.入口から山道を進み、頼母沢集落へは約15分。
3.頼母沢集落から札立峠への入口は約10分。
4.札立峠入口から札立峠へは約35分。
5.札立峠を下り水潜寺へ到着するまでは約50分。
簡略版ルートMAP
簡単な地図も掲載しておきます。あくまで簡略化したものとなります。特に札立峠の入口~札立峠~水潜寺のルートは以下の画像のように直線的ではありませんのでご注意ください。

馬頭尊前~札立峠~札所34番・水潜寺の順路を画像で紹介!
さぁ、いよいよここからが画像付きで順路を紹介していきます!
(1)平石馬頭尊堂から江戸巡礼古道へ
まずはバス停「馬頭尊前」から平石馬頭尊堂を目指します。バス停を降りたら、右手側(乗ってきたバスの進行方向とは逆方向)へ向かいます。
立派な銅板屋根の馬頭尊堂が見えてきたら、この坂道を登って馬頭尊堂の前を通過します。
この平石馬頭尊堂は、天保十一年(1840年)、当時の村民たちの願いで建立が計画されたもの。高度な技術の彫刻が施されています。この堂が札立峠へと向かう最初の目印となります。
お堂の前を通過し、アスファルトの道をひたすらに真っすぐ進んで行きます。新緑の季節は、鳥の鳴き声がこだましてきます。
10分程歩くと、右手に巨大な石板が見えてきます。
「道路開鑿記念碑」と書いてあります。昭和5年に、藤芝というこの少し先にあるエリアへ行くための道路として切り開いたことが記されています。
(2)江戸巡礼古道から登山道を経て頼母沢集落へ
道路開鑿記念碑のすぐ先に、巡礼道の案内があります。
仲睦まじい夫婦の像が微笑ましい。
この草原を道なりに進み、山道へと入っていきます。
ただし、この山道は札立峠の入口ではありません。
それなのに、やや傾斜のある本格的な山道、しかもグルグルと周る道が10分程続きます。
途中にある石塔。下方には馬がデザインされています。巡礼の安全を祈願した馬頭尊でしょうか。
山道を越えると、再びアスファルトの道につながります。
この坂道を下っていきます。撮影日は、桜の花びらが多く残る4月初旬。
坂を下った先には、頼母沢(たのぶざわ)というエリアの集落に出ます。秩父方面の山並みも見えて景色が美しい場所です。ただ、集落には人っ子一人見当たりません。こうした非日常的な空間が、巡礼の緊張感を高めてくれます。
(3)頼母沢集落から札立峠の入口へ
集落の坂道を登っていきます。
この集落は廃屋も沢山あります。誰かひとりでも人は住んでいるのでしょうか。そんなことを考えながら、ひたすらアスファルトの坂道を登り続けていきます。
道中には、土壁が崩れかけている地蔵堂などもあって趣が感じられます。
そして、10分程進んだ場所に札立峠へとつながる山道の入口看板が見えてきました。
(4)山道を登り札立峠を目指す
熊出没注意の看板が強いインパクトを与えます。この看板を見ると引き返したくなる人もいるのではないでしょうか。でも、もうここまで来たら後戻りはできません!ここから約1時間30分の峠越えが始まります!
急な斜面に加えて、大量の落ち葉。足元に注意が必要です。こんな道が続くからこそ、トレッキングポールや運動靴・登山靴が必要となります。
巡礼道の案内を見ると少し安心します。
倒木している場所も沢山あります。道を通せんぼしています。
大きな岩。「休み石」と言われているそう。
「モウスグです」の札。こういうの地味に嬉しいんですよね。
札立峠まであとわずか…というところで突然、廃屋が現れます!ついつい誰かがいないか、ジロジロ覗いてしまいます。昔の売店か何かでしょうか。
(5)札立峠へ到着
折り返し地点である札立峠に到着!熊出没注意の入口看板からここまで、約40分弱。
中央には観音様もいらっしゃいます。地に足の着いた観音様です。
ここの見晴らしは残念ながらナシ。奥にほんの少しだけ山並みが見える程度です。
この札立峠は、他のハイキングコースの通過点にもなっています。
札立峠には、破風山の山頂へとつながる山道もあります。時間と体力に余裕があれば、破風山の山頂を目指してもいいでしょう(山頂からの景色は素晴らしい!)
ただし、山頂まで行ってまたこの場所へ戻るには50~60分はかかっていまいます。山頂まで行く場合は、バスに乗る時間をよく検討する必要があります。さらに土日のバスは2~3時間に1本に減ってしまうので、より注意が必要です。
(6)札立峠を下る
さて、この札立峠から水潜寺までは、徒歩で約50分の道程。
ここからは下り坂しかないので負担は少なめです。
ただし、途中、どこを歩けばいいの!?と思うような場所にも遭遇するので油断できません。画像では伝わりずらいですが、何カ所か人工的に砂利が積まれている場所があります。砂利の斜面を歩くことになるので注意が必要です。
(7)古代の地層エリアへ
沢の近くには、古代の地層のような巨石が多くあります。
これはジュラ紀の付加体である石灰岩とチャートです。プレートが海溝に潜り込むときに、ばらばらになって泥と混ざってできたもので「メランジュ(混在岩)」と呼ばれます。
亀のような大岩もあります。「亀岩」とでも名付けようか。
また、巨石だけでなく足元もゴツゴツした石が多いのも下りの特徴です。足元に注意をして歩きましょう。
さらに、水潜寺へ近づくにつれて木板でできた橋も頻繁に現れます。中には金属製の即席の橋も。これは2026年の午年総開帳に合わて設置したものだろうか。
(8)沢を通過しまもなく水潜寺
水潜寺の近くには沢もあります。
ロープが張られています、これは手で掴んで登るためのものです。下りの場合はロープを使わなくても大丈夫ですが、それだけ急な斜面ということです。最後まで気を緩めずに進みましょう。
そして、水潜寺を象徴するお地蔵様。このお地蔵様にどれだけ多くの人々が安堵の気持ちを抱いたことでしょう。
ここからは水潜寺の本堂も見えてきます。ゴールはすぐそこ!
(9)水潜寺へ到着
水潜りの岩屋が良く見えます。かつてはここに入って俗世へと戻る儀式を行っていたようですが、今では崩落による入ることはできません。洞窟の穴がよく見えるのはこのあたりなので、しっかりと見ておきましょう。
さぁ、いよいよゴールの水潜寺です。ここまで長かった…。
ゴール!お疲れさまでした。
舗装されたアスファルトの道を作ってくれたどこかの知らない人に自然と感謝の気持ちが湧いてきました。
札所34番・水潜寺で参拝!終えたら…
水潜寺
水潜寺は、秩父観音霊場三十四箇所の最後の札所であり、「結願寺(けちがんじ)」として知られています。さらに、西国三十三所、坂東三十三箇所と合わせた「日本百観音」のすべてを締めくくる特別な場所でもあります。
御本尊である千手観音様へ参拝したら、御朱印を頂いたり、百観音すべての霊場の砂を集めや「お砂踏み」をするなどして時間を過ごしましょう。
観音堂内の右手には、巡礼を終えた人たちの金剛杖や菅笠などが納められています。これらを眺めていると、“自分も難所である札立峠を越えて、ついにここまで来たんだな“と、しみじみとした気分に。
水潜寺については、詳しく知りたい方は、秩父札所 第34番 日沢山 水潜寺 の記事をご確認ください。
さて、次のバスの到着時間まで、境内をくまなく散策して時間が過ぎるのを待ちましょう。
秩父華厳の滝
ちなみにこのエリアの観光スポットの1つである「秩父華厳の滝」は、水潜寺から徒歩で約15分。バスの到着まで1時間近くある場合は、ちょうど良い過ごし方ができるかも。
滝の入口には、土日祝日に営業する「秩父華厳の滝茶屋」がある。
秩父華厳の滝茶屋

| アクセス | 町営バス日野沢線「秩父華厳前」徒歩3分 |
|---|---|
| 住所 | 皆野町大字上日野沢3311-1 |
| 公式SNS | https://www.instagram.com/takichaya/ |
満願の湯
(画像:満願の湯公式HPより)
「満願の湯」という温泉施設へは、水潜寺から徒歩30分ほどで行くことができます。時間に余裕があり、のんびり温泉につかってゆっくり食事も楽しみたい!という方にはオススメです。
これらの観光エリアに立ち寄るか、そのままバスを待って皆野駅まで向かうかは、あなたの旅プラン次第です。










