「すべての秩父札所を徒歩で巡礼する場合、何日間かかる?」
「秩父札所巡りに、お金はかかる?かかるとすればどれくらい?」
「巡礼をするのに、最低限、必要なものを教えて」
このページは、こんな疑問を解消できる記事になっています。
秩父札所は都内から近い場所にあり、誰でも気軽に札所巡りを始めることができます。
ただし、場所によっては秩父の山奥や峠を越えていくような札所もあるため、秩父の交通事情を理解していないと「周囲に何もない場所で何時間もバスを待つことになる」「最寄り駅まで、何時間もかけて歩かなきゃいけない」といった事態になる可能性は大いにあります。
さらに、札所巡りの最低限の知識や準備がなければ、秩父札所巡りの醍醐味を味わうことができずご利益も半減してしまいます。
でも大丈夫!
この記事では、秩父札所巡りを始めるために必要な基本知識を網羅して紹介しています。
秩父札所巡りにかかる時間・かかるお金・必要な巡礼用品・服装など…札所巡り初心者の方が知っておくべき情報がわかりますよ♪
この記事を読んで、秩父札所巡りを計画的に楽しみましょう!
目次
秩父札所巡り、何日かかる?
徒歩の場合
(画像:札所20番~21番の道中。徒歩巡礼は、秩父の自然を存分に楽しむことができます。)
秩父札所を、1番から34番まですべて徒歩で巡礼する場合、合計で5~7日間ほどかかります。
札所巡りの基本は、やっぱり「徒歩」。1番から34番の札所を徒歩で順番で回った場合の距離は、約96.8㎞と言われています。つまり、約100㎞のコースを歩くことになります。
また、各札所で御朱印帳をいただく場合、御朱印の受付時間は8時~17時(11月~2月の冬時間は16時まで)の間という制約もあるため、数日間に分けて回る必要があるのです。
お仕事をしている方であれば、なかなか5~7日間ほどのまとまった時間をとるのは難しいもの。しかし、秩父は、池袋駅(西武線)から最短70分で到着する距離にあります。関東にお住まいの方であれば、週末だけお遍路をするという方法もあり、お遍路初心者にとっては最適の札所巡りのコースなのです。
尚、札所30番・法雲寺~31番・観音院は、徒歩で約4時間(距離にして約15km)かかってしまいます。その前後の移動時間も考えると、この区間は徒歩での移動をカットし、日をあらためて31番・観音院からスタートするのがおすすめです。(☞詳しくは、当サイトの31番・観音院の紹介ページのアクセス方法をご覧ください)
車の場合
車で秩父札所をすべて巡礼する場合の目安は、おおよそ2~3日間ほどです。
車を利用すれば1日につき10~20カ所の札所を巡ることは可能です。ただし、1日により多くの札所を巡ろうとする場合、各札所における滞在時間も必然的に短くなってしまいます。
そのため、1つ1つの札所の見どころを楽しむ余裕が無くなってしまうため、車で巡礼を行う場合も時間には余裕を持っておきたいところです。例えば、札所26番・円融寺や札所32番・法性寺などは、本堂からやや離れた深い山に「奥の院」と呼ばれる聖地があります。いずれの奥の院も徒歩でないと行けない場所にあり、往復で約1時間はかかってしまいます。
車で巡礼する場合も、各札所の見どころを事前に確認しておき、計画的に参拝スケジュールを決めておくことをおすすめします。
尚、各札所には無料駐車場があるので、駐車スペースに困ることはほとんど無いでしょう。
自転車の場合
(画像:2023年10月~2024年3月まで行わた「秩父サイクル巡礼」のキャンペーン企画)
自転車で秩父札所をすべて巡礼する場合の目安は、おおよそ3~5日間ほどです。
自転車は小回りが効くので、秩父市街地の札所を巡る序盤から中盤は、特に自転車が大活躍します。一方、札所の中には、山中にある坂道を登ってたどり着くような場所もあるため、自転車が万能とは言えません。
尚、秩父市街地は交通量も多く、県道などは大型トラックなども通るため、徒歩の場合はもちろん自転車での巡礼も注意が必要です。また、2023年の道路交通法の一部改正により、自転車であってもヘルメット着用の努力義務が課されています。安全に移動するためにも、ヘルメットの着用をおすすめします。
秩父札所巡りにかかる費用はいくら?
気軽に札所巡りを始めたい!という人でも、秩父札所巡りの魅力を味わうために最低限かかる費用を紹介します。尚、御朱印帳や納経札については「持っていないとマナー違反」ということありませんが、達成感を味わうためにぜひ持っておきたいものです。
各札所でかかる費用
納経所で御朱印をいただく場合、納経料として500円がかかります。もともとは300円でしたが、令和6年(2024年)3月1日より500円に値上がりしています。つまり、34カ所すべての御朱印をいただく場合、17,000円がかかることになります。
また、重ね印(※)は200円がかかります。(※2回目以降の参拝の際、同じ御朱印ページに重ねて御朱印を押印すること)
御朱印代(納経料) | 1ヶ所500円×34カ所=17,000円 |
---|---|
お賽銭代 | 任意 |
巡礼用品にかかる費用
(画像:秩父札所専用の御朱印帳¥1,500円)
各札所を参拝をする際に最低限持っておきたい巡礼用品は、「御朱印帳(納経帳)」と「納め札」です。
「御朱印帳」は、巡礼用品の品揃えが豊富な札所1番・四萬部寺、札所13番・慈眼寺で秩父札所専用の御朱印帳(1,500円)を購入することができます。
ただし、秩父札所は専用の御朱印帳でなくても御朱印をいただくことができます。事前にインターネットで購入しておくのも良いでしょう。
また、「納め札」は、各札所の本堂などに設置された納札箱(銀色のボックス)に奉納するものです。自身の名前や住所などを書き込み、参拝の証として納札箱に納めたり、誰かからお接待を受けた際のお礼として納めるものとして使います。こちらも札所1番・四萬部寺、札所13番・慈眼寺などで購入することができます。
納経帳(御朱印帳) | 1500円~3500円。 |
---|---|
納め札 | 30枚1束で150円。34か所分では、2束で計300円かかります。 |
その他かかる費用(交通費・飲食代・宿泊代など)
(画像:帰宅時の特急ラビューでは、秩父の地酒・秩父錦が欠かせない!贅沢な旅のひとときです♪)
御朱印代・納め札の料金以外にかかる費用と言えば、移動の「交通費」・「昼食代」・「宿泊代」などです。
「交通費」については、例えば、西武池袋駅~西武秩父駅を特急利用した場合、片道1,700円(乗車代800円+特急代900円)がかかります。つまり、往復では3,400円かかります。
また、秩父に到着してからは、バスや電車(秩父鉄道)を利用すれば数百円がかかりますが、徒歩巡礼の場合は交通費はかかりません。
宿泊代については、当サイトで秩父巡礼におすすめのホテルを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。(☞「秩父札所巡りにおすすめのホテル・旅館情報」で宿泊料金をチェック!)
秩父札所巡りの服装について教えて
お遍路巡りと言えば白装束です。本格的にお遍路をする方は、白装束(しろしょうぞく)や菅笠(すげがさ)を身に着け正装で巡礼します。しかし、カジュアルな服装で巡礼は可能です。札所巡りの正装とはどのような格好か?また、どのようなポイントで服装を決めれば良いか解説します。
札所巡りの正装とは?
お遍路巡りと言えば、やはり白装束です。お遍路の正装は、はるか昔から先人によって伝えられてきた“祈り”と“知恵”がつまったものです。お遍路巡りの正装に必要なもの、そしてそれぞれの役割・意味についても解説します。
金剛杖(こんごうづえ)
修験者の持つ八角または四角の白木の杖は、“お大師さま(=空海)”そのものと言われています。道中には、山道や難所もあるので、その際に身体を支えたり、長距離を歩行するために助けとなる機能的な面も持っています。尚、「橋を渡る際は、杖はをついてはいけない」という伝えもあるので注意しましょう。
菅笠(すげがさ)
雨・風・日差しから修験者を守るために被るものです。
輪袈裟(わげさ)
首にかけるのが輪袈裟は、自身が修行中であるという意味を表すもの。巡礼のとき以外、食事や不浄(トイレとか)の際は、外す必要があります。
白衣(びゃくえ)
白い色には、「清浄」「無垢」という意味があります。そのため、白衣には、極楽浄土への回帰を祈る意味合いが込められています。
脚絆(きゃはん)
ズボンの裾を押さえたり、すねを保護したり、足を締め付けることでうっ血を防ぎ、疲労を軽減させるといった知恵も込められています。
数珠
弘法大使(空海)が開祖した真言宗の場合、数珠は108個、煩悩の数だけ球があります。祈願の際、擦り合わせることで、人間の108の煩悩をすり減らし、厄を防ぐと伝えられています。
地下足袋
底はゴムになっているものが多く、機能面でも問題はありません。
山谷袋(さんやぶくろ)
御朱印、納め札などのお遍路グッズ一式を入れるバックのようなものです。
札所巡りは、カジュアルな格好でもいいの?
秩父札所巡りの魅力的の大きな魅力の1つは、秩父の自然・歴史を感じながら、気軽にハイキング感覚で楽しめるところです。道中には、山・峠・澤・崖など…足場の悪いところなども多くありますので、動きやすいカジュアルなスタイルで巡礼をしている方も多くいます。
特に長距離を歩く場合、山道などを歩く場合は、歩きやすい運動靴・汗の吸収性が良いシャツなどハイキングに適した服装で臨みましょう。
また、この秩父地方は、季節によっては厳しい寒さが残る時期、クマやイノシシなどが出る季節もあります。夏には、スズメバチなども出る山間部です。クマよけを身に着けたり、長袖を着るなど、季節によって万全の対策を行いましょう。
ちなみに管理人は、毎回カジュアルな服装と装備で札所巡りをしています。御朱印帳とペットボトルなどが入るサイズのバック、ジーンズとTシャツ・スポーツシューズ、カメラ…というスタイルなので、見た目ではお遍路している人には見えないでしょう。
秩父札所巡りに必要なものはどこで購入できる?
巡礼用品が購入できる秩父札所
秩父札所では、札所1番・四萬部寺、札所13番・慈眼寺などでお遍路に必要なもの一式をそろえることができます。特に、お遍路の正装は、札所1番・四萬部寺、札所13番・慈眼寺にすべてそろっています。御朱印や納札だけであれば、他の札所で販売しているところもあります。
札所1番・四萬部寺
こちらは、札所1番・四萬部寺のマネキン。…なんか怖いですね(笑)。四萬部寺の納経所はスタート地点となる始まりの場所なので、札所巡りに必要なものや秩父札所に関わるグッズが最も多く販売されています。
札所13番・慈眼寺
こちらは、札所13番・慈眼寺の納経所内にあるグッズ販売のコーナー。巡礼用品だけでなく、さまざまな御守り・関連商品などが充実しています。この慈眼寺は、西武秩父駅から徒歩5分の場所にあります。なんと、秩父札所では唯一PayPayでの支払いも可能です。
巡礼用品はインターネットでも購入可能!
お遍路の正装・巡礼用品・御朱印帳・納め札などは、実際に秩父札所に行かなくても、インターネット通販などで事前に購入可能です。
お遍路の正装セットなどがお得に販売されていますので、事前購入しておくことでスムーズに巡礼をスタートすることが可能です。
ただし、これらは秩父札所が公式的に販売しているものではありません。そのため、四国八十八ヶ所・西国三十三ヶ所・坂東札所三十三ヶ所といった、秩父札所三十四ヶ所と同様に有名なお遍路巡りの表記が入った商品なども多く販売されいるので注意が必要です。
秩父札所札巡りにおすすめの季節を教えて!
(画像:札所27番・大淵寺から札所28番・橋立堂の道中。桜と鉄道路線のローカル風景が最高!)
秩父札所巡りに最も最適なシーズンは、4月~5月頃の春シーズンです。
温かな気温となり、桜が咲き新緑が芽生え、美しい自然を楽しみながらハイキング感覚で札所巡りを楽しむことができます。
一方、大雨・台風などの荒天明けは、天気が晴れていても足場が滑りやすかったりぬかるんでいたりと危険です。インターネット・SNSなどを活用し、秩父地域の天候などを確認しながら巡礼する日を選択することで、安全に札所巡りを楽しみましょう。
秩父札所巡り、おすすめのコースを教えて
秩父札所巡りで、特に人気のおすすめコースを紹介します。
打ち始めのみち(札所1~2番)
秩父札所巡りで、1番最初の巡礼コースです。札所1番・四萬部寺から札所2番・真福寺は、徒歩で約40~50分の道程。のどかな農村風景から山道へと変化していくそのコースは、「まさにこれぞお遍路」といった雰囲気を味わうことができます。(☞詳しく調べる)
長尾根みち(札所23番~24番)
秩父札所23番・音楽寺から24番・法泉寺の道中は、「小鹿坂巡礼ハイキングコース」という山道を下るハイキングコースとなっています。“長尾根みち”とも呼ばれ、人気の巡礼コースの1つです。鳥のさえずりが聞こえる静かな雑木林を歩き、橋のない沢を渡るような場所もあるなど、秩父の自然を感じることができます。(☞詳しく調べる)
大日峠(札所31番~32番)
小鹿野にある大日峠は、小鹿野の市街地から秩父札所32番・法性寺へ徒歩で行く際のハイキングコースコースです。道中には、湾曲した地層・造られた時代さえも分からない古い石仏を横目に、水が緩やかに流れる沢を越え、山道を越え、峠を通過していきます。秩父札所連合会は、この大日峠を“難所”の1つとしていますので、トラブルなく峠を越えられるか?不安になる人も多いようです。(☞詳しく調べる)
札立峠(札所33番~34番)
札立峠は、最後の札所となる札所34番・水潜寺へとつながる山道です。入口には、クマに警告する看板が立てられ緊張感を煽られるコースですが、「あと一息だ!」と思えば、勇気が湧いてきます。破風山(626m)の頂上につながる道もあるので、時間と体力の余裕があれば頂上からの素晴らしい眺望を楽しむことができます。
さぁ、秩父札所巡りを始めよう!
さて、この記事では、これから秩父札所巡りを始める方に向けて、札所巡りにかかる日数・かかる費用・必要な巡礼用品・服装・おすすめの季節などを紹介しました。
また、上記で紹介したおすすのコースは、あくまで人気の高いコースの一部です。秩父札所巡りの道中には、他にも、自然豊かな風景・心が落ち着く田舎道の風景・大自然が織り成すダイナミックな風景・歴史を感じる建築物など…いくつものおすすめスポットやおすすめコースがあります。
ぜひ週末は秩父に訪れて、札所巡りで開運しつつ、秩父の自然豊かな風景を楽しみながら、美味しいグルメ&至福の一杯(お酒)で癒されてみませんか?