札所三十番・法雲寺(ほううんじ)は、秩父鉄道・白久駅から徒歩で約20分。
白久駅を出て、八津川の渓流を左手に、なだらかな坂を登ったところにあります。
目次
秩父札所30番・法雲寺の歴史・由来

秩父札所30番・法雲寺の御本尊である如意輪観音像は、元応元年(1319年)、鎌倉・建長寺の道隠禅師が唐から持ち帰り奉納したものと伝えられています。
また、唐の玄宗皇帝が楊貴妃の供養のために自ら作り、不空三蔵が開眼したものとも言われています。
普段は秘仏として厨子の中に納められていますが、12年に1度の開帳だけでなく、毎年4月18日の縁日に開帳されます。
秩父札所30番・法雲寺の御本尊

御本尊である如意輪観音は、別名“楊貴妃観音“とも呼ばれ、智慧・財福・福徳授与・安産・延命などのご利益があるとされています。
観音堂内には、楊貴妃観音の絵馬がたくさん奉納されています。

秩父札所30番・法雲寺の見どころ
緑あふれる庭園

緑あふれる庭園は、梅・ツツジ・アジサイ・アザミなど季節の草花が植えられています。

観音堂の前から撮影した境内の画像。
奥秩父の山の中に、この法雲寺があることが分かります。
観音堂

朱塗りの観音堂は、廻縁(まわりえん)の付いた開放的な造りになっています。
江戸初期に建立されたもので、廻縁は江戸時代中期に増築されたものと言われています。
寺宝の納札(おさめふだ)
観音堂の正面左側には、法雲寺の寺宝である納札が収められています。
この納札は、秩父札所を含む日本百番観音霊場の納札で、どれも中世時代の貴重なもの。
それぞれ享禄四年(1531年)、天文五年(1536年)、天文八年(1539年)、天文十三年(1544年)、天文二十四年(1555年)の6点。
なかでも天文五年(1536年)の納札には“百ヶ所巡礼”と記されています。
もともと日本百番観音霊場は、西国・坂東・秩父のそれぞれ33ヶ所観音霊場に、後から秩父の札所1か所を加えて成立した歴史があります。
つまり、1536年には、秩父札所は34ヶ所で、日本百番観音霊場が成立していたことを表しているのです。
龍骨
納札などと共に、法雲寺の寺宝となっている龍骨。
伝説によると、その昔、この土地に住んでいた悪龍が、観音様を信じたことで善龍と生まれ変わり、天へと飛び立つ際に残したと伝えられています。
龍飛乃松

龍の伝説が残る法雲寺には、他にも龍にまつわるものが。
こちらは、まるで龍の形をしたような松の木。
観音堂の脇に安置されています。
山水群霊の碑

境内の左脇にある“山水群霊”の碑は、水陸に住んだあらゆる生物たちの霊たちが祀られています。
これは奥秩父鉱泉郷旅館組合が建立したもの。
旅館で提供している川魚・野鳥獣などの動物に対して感謝と敬いの気持ちが込められています。
谷津川館

法雲寺から徒歩3分ほどの場所にある温泉旅館・谷津川館。
奥秩父の大自然に囲まれたこの旅館は、2019年、じゃらんnetランキングで【泊まってよかった宿大賞 第3位】にノミネートされた実績もあります。

秩父札所30番・法雲寺の御朱印

右側から「瑞龍山」「如意輪観音」「法雲寺」と書いてあります。
秩父札所30番・法雲寺の御詠歌
一心に 南無観音と 唱ふれば 慈悲深谷の 誓ひたのもし
“慈悲深谷”とは、慈悲が“深い”という意味と、この地の古い呼び名である“深谷(ふかや)”にかかっています。
秩父札所30番・法雲寺の基本情報

宗派 | 如意輪観世音菩薩 |
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本尊 | 臨済宗建長寺派 |
住所 | 埼玉県秩父市荒川白久432 |
納経時間 | AM8時~PM5時(11月~2月はPM4時まで)※12時~12時30分はお昼休憩。 |
無料駐車場 | ここに説明文を入力してください。 |
アクセス | (1)秩父札所29番・長泉院から徒歩で約2時間30分。 (2)秩父鉄道「白久」駅から徒歩で約20分 |
秩父札所30番・法雲寺の地図
