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『ブラタモリ』で紹介された秩父札所三十四ヶ所とは?

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『ブラタモリ』(NHK総合土曜19:30~)は、“街歩きの達人”として知られるタモリさんが、日本各地を訪れ、その町の歴史・文化・魅力などを再発見していく大人気番組です。

2017年に放送された同番組では、大河ドラマ『青天を衝け』で話題の渋沢栄一“ゆかりの地”という要素も加えながら、秩父・長瀞地方の魅力を伝えました。

この記事では、番組中に取り上げられた、“秩父札所”を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

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1.『ブラタモリ』で紹介された秩父札所とは?

同番組のロケでは、タモリさんが日本百観音霊場の1つである「秩父札所(ちちぶふだしょ)」(秩父札所三十四ヶ所)を訪れ、そのダイナミックな地形と雄大な歴史を持つ秩父地方の魅力に大きな関心を寄せていました。

また、2017年放送回では、タモリさんが訪れた秩父市街地で、この秩父札所34ヶ所でお遍路巡りをしている人たちにも遭遇します。

番組を観た方の中には「秩父札所って何?」「秩父札所ってただのお遍路コースのお寺じゃないの?」と、気になった方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、『ブラタモリ』を観て、秩父札所が持つ雄大な歴史と風景に興味を持った方のために、その魅力をお伝えします!

また、番組では紹介されなかった秩父札所のさらに魅力的なスポットもお伝えしたいと思います!

(1)秩父札所とは?

秩父札所とは、「秩父三十四観音霊場」とも言われ、西国三十三所・坂東三十三箇所とあわせて日本百観音に数えられています。

すべての札所を1番から34番まで順番通りに歩くと、その総距離は96.8㎞。5日~7日間のお遍路コースとなっています。

 

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お遍路と言えば四国お遍路が有名ですが、この秩父札所も多くの人たちが観音信仰巡礼の聖地としてお遍路巡りをして、江戸時代に最盛期を迎えたとされています。

 

そして、時が過ぎた現在でも、秩父市が観光客の誘致を積極的に行っていることも影響してか、秩父札所の中には、大人気アニメの聖地となっている札所があったり、最近ではPayPayでお線香・御朱印の支払いもできる最先端の札所もあるんです。

また、徒歩ではなく、ツーリングを楽しみながらバイクで巡礼をする人もいます。

 

(2)秩父札所の歴史

『ブラタモリ』では、古代から地層が織りなす秩父地方の雄大な地形と歴史にスポットが当たっていました。

秩父札所の歴史も、古代とは言わないまでも、その歴史は古く、開創は文暦元年(1234年)、つまり、鎌倉時代にまでさかのぼります。

 

また、秩父札所34ヶ所には、各札所の由来を伝える「観音霊験記(かんのんれいげんき)」が掲額されています。

色鮮やかな絵とともに、神仏を信じる大切さや教訓などが記され、まだ科学が発展していなかった時代の庶民の暮らし・歴史・文化を感じることもできます。

 

(3)秩父札所へのアクセス

秩父は、池袋から特急で約70分。

都内からのアクセスが良いこともあり、秩父札所巡りは、観光やハイキングもかねて気軽に行えることも人気の要因の1つとなっています。

 

運が良ければ、土日はSLなどを観ることができるかも!?

 

2.タモリが訪れた秩父札所

さて、ここからは、『ブラタモリ』でタモリさんが訪れた秩父札所を紹介します。

いずれも秩父地方のダイナミックな地形を楽しむことができる秩父札所です!

(1)タモリが訪れた秩父札所28番・橋立堂

橋立堂は、ダイナミックにそそり立つ岩壁の下に建つお堂で、江戸時代は修験の霊場にもなっていたと伝えられています。

 

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いかにも修行の場といった厳かな雰囲気の岩場は、武甲山の西麓にあり、約65mもの高さの岩壁は、玄武岩(火山岩)と石灰岩からできているそうです。

 

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『ブラタモリ』でも取り上げられていましたが、武甲山の秩父古生層から採掘される原石は不純分が極めて少ない良質な石灰石。

渋沢栄一は、この石灰石が採れる武甲山に着目。

武甲山の石灰石が、日本のセメント産業、つまりは、日本の高度経済成長を支えてきたのです。

このように近代日本の歩みの歴史も学べてしまうのが、秩父札所巡りの魅力でもあります。

 

(2)タモリが訪れた秩父札所19番・龍石寺

巨大な一枚岩の上に建つ龍石寺は、境内のいたるところで岩盤が露出している場所を見つけることができます。

 

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伝説によると、平安時代、全国的な日照りが続いたときに、弘法大使(空海)が雨乞いの祈願をしたところ、かつて帝の病気平癒を祈願するために弘法大使が作った千手観音像がこの地に飛来してきたといいます。

そして、大きな岩が2つに割れると、そこから龍が天に上り雲を呼び大雨を降らせ、この恵みの雨によって、五穀豊穣がもたらされた…とされています。

この伝説が、“龍石寺”の名前の由来にもなったと伝えられ、本堂に掲額されている観音霊験記にもその様子が描かれています。

 

岩盤の中には、“チャート”が含まれています。

チャートは堆積岩の一種で、主成分は二酸化ケイ素。

この成分を持つ放散虫や、放散虫・海綿動物などの殻や骨片が海底に堆積してできた岩石がチャート…つまり、秩父は昔、海の底だったという訳です。

 

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この札所19番・龍石寺から札所20番に向かう途中に、大人気アニメの聖地の1つ・旧秩父橋があります。

旧秩父橋は、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011年)や、『空の青さを知る人よ』(2019年)の聖地にもなっており、年間を通して若い人たちが訪れます。

 

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また、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』では、秩父札所17番・定林寺が劇中での重要なシーンの舞台となっており、アニメファンにとっての聖地にもなっています。

エンタテイメントも融合したお遍路巡りなら、お年寄りでなくても、もう少し気軽な気持ちで始めることができそうですよね。

 

3.『ブラタモリ』で紹介された秩父札所

秩父札所の中には、タモリさんは実際に訪れていないけれど、『ブラタモリ』の番組内でちらっと紹介された秩父札所が2か所あります。

(1)ブラタモリで紹介された秩父札所31番・観音院

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秩父札所31番・観音院も、秩父地方のダイナミックな地形を楽しむことができるスポットです。

 

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日本でも最大級とされる巨大な金剛力士の石像、標高差が50m以上もあり約300段にも及ぶ「厄除けの石段」、岩山に囲まれた観音堂など、岩石マニアにはたまらないスポットになっています。

 

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御朱印をいただける納経所の裏には、古代の地層が見える場所もあります。

 

さらに、観音院の大きな山門付近には、社会現象にもなっている超人気アニメ『鬼滅の刃』で主人公・竃門炭治郎(かまどたんじろう)が修行で切った大岩があるとか、ないとか…。

 

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(2)ブラタモリで紹介された秩父札所32番・法性寺

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法性寺(ほうしょうじ)は、草花あふれる境内や、崖の上に建つ観音様が有名で、自然を楽しむ観光客も多いスポットです。

奥の院には、岩盤の上に立つ岩船観音(お船観音)や、崖の鎖場の上にまつられた大日如来があります。

観音堂からは標高100m以上もの高さにあり、崖の上から見える秩父の山並みはとても美しく、まさに絶景です。

しかし、5mもの垂直の鎖場をよじ登ったり、観音様が立つ岩盤の上は、足を踏み外したら崖から転落してしまうような危険な場所です。

 

4.『ブラタモリ』では紹介されていない秩父札所

さて、秩父札所には、『ブラタモリ』の番組内で取り上げられなかったけれど、魅力的な地形や地質学的に価値のあるスポットも多くあります。

(1)ブラタモリで紹介されなかった秩父札所4番・金昌寺

金昌寺は、1319体もの石仏が並ぶ“石仏の寺”として知られ、その石仏群は埼玉県の指定有形民俗文化財にもなっています。

しかし、明治維新の神仏分離の一環で行われた廃仏毀釈により、多くの石仏は廃棄されてしまいました。

 

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廃仏毀釈による影響か、現存する石仏にも首のないものがたくさん…壮大な歴史を感じずにはいられません。

 

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そして、これらのちょっと石仏を横切りながら、本堂の裏手へ行くと弘法大使像が祀られた奥の院岩屋があります。

 

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たくさんの石仏、大きな杉の木、岩から滴り落ちる水…神秘的なスポットです。

 

 

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奥の院の崖には、時代の異なる地層が重なり合っている『不整合』が見られます。

上部に秩父盆地内の礫岩層(約1500万年前)、下部に三波川帯の蛇紋岩(約8500年前~6500年前頃)が重なっています。

 

この場所は、秩父の「ジオパーク」の1つ。

「ジオパーク」という言葉は、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた造語です。

ジオパークは、地質学的に価値のあるサイトや景観が、保全、教育、持続可能な開発といった総合的なアプローチで管理運営されている一つのまとまった地域を指します。

出典:秩父ジオパークHP

 

(2)ブラタモリで紹介されなかった秩父札所34番・水潜寺

水潜寺は、“結願の寺”と呼ばれ、日本百観音霊場の最後に訪れるお寺として知られています。

「結願(けちがん)」とは、すべての霊場の巡礼を終えること。

もともと秩父札所は、西国札所・坂東札所と合わせて各三十三の札所でしたが、“百の観音の大悲を一寺に集め御利益を得たい”という願いによって、この水潜寺が、日本百観音霊場の100番目の霊場、秩父札所の三十四番として加えられました。

 

現在は非公開となっていますが、観音堂の右の崖下には、「水くぐり(水潜り)の岩屋」があり、かつては巡礼を終えた人が、最後にこの岩屋で身を清めてから俗世に戻ることが習慣とされ、このお寺の名前の由来にもなっています。

この岩屋は石灰岩体で、鍾乳洞となっています。

 

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水潜寺の石灰岩体は、泥岩中にチャートなどと共に混在したものですが、これは、海洋プレートが海溝に潜り込むとき、岩塊がバラバラになって泥と混ざってできたもの…だそうです。

ここもまた、海の底だったという訳です。

 

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しかし、水潜寺のはじまりは、大干魃(かんばつ)に由来します。

その昔、この地を訪れた僧が、観音様を信仰するよう村人に指示をしたところ、水が沸き出て大干魃(かんばつ)から村が救われたと伝えられています。

地球は長い年月をかけて全く違う環境へと変化をしていくもの…という自然の雄大さを感じられるエピソードですね。

 

秩父華厳の滝

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水潜寺から徒歩で約5分の場所に、秩父華厳の滝があります。

この秩父華厳の滝は、落差約12m。

日光の華厳の滝に形が似ていることから、この名前が付けられたとされています。

 

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ここの地層は「秩父帯」と言われ、約2億年前~1.5億年前の中生代ジュラ紀かけて、プレートの動きによって太平洋プレートの堆積物が剥ぎ取られ、大陸プレートに押し付けられたものとされています。

引用:秩父ジオパークHP

(3)ブラタモリで紹介されなかった秩父札所26番・円融寺~札所27番・大渕寺

札所26番円融寺の奥の院・岩井堂は、ハイキングコースである琴平丘陵コースの途中の山中にあります。

いかにもお遍路の巡礼道らしい石段は300段以上。

 

奥の院 岩井堂から札所27番の間には、巨大な護国観音があります。

 

護国観音がある場所からは、秩父の盆地を一望することができます。

 

 

5.ブラタモリで紹介された秩父は魅力がいっぱい!

さて、今回は、『ブラタモリ』を観て、秩父札所が気になった方のために、秩父札所が持つ様々な魅力をお伝えしました。

秩父札所は、秩父の大自然や雄大な歴史を感じたいと思っている方には、とってもオススメしたいスポットです。

そもそも秩父札所はお遍路コースなので、運気をゲットしたり、自分自身の人生を振り返るきっかけにもなるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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