秩父札所第十七番実正山定林寺 | 開運！秩父札所めぐり

この記事では、秩父札所17番・定林寺（じょうりんじ）について、その歴史・見どころ・御朱印・地図・近隣の観光宿泊施設について紹介しています。

定林寺は、秩父の市街地のやや外れ、秩父駅からは徒歩で約25分の場所にあります。札所16番・西光寺から徒歩で行く場合も、“十六番道”“十七番道”の石標を目印にしながら約25分の時間がかかります。

この定林寺は、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の重要なシーンにも登場し、作品のファンにとっての聖地にもなっています。観光やデートなどで訪れる人は由緒正しい場所であることを忘れず、参拝者や近隣の住民の方への配慮・マナーを忘れないようにしましょう。

秩父札所17番・定林寺の歴史・由来

秩父札所17番実正山定林寺(じっしょうざん　じょうりんじ)は、別名“林寺”と言い、もともとは林家の持寺として開創されたと伝えられています。

林家は、秩父神社のお触書を村に伝える“触役（ふれやく）”を務めていた家柄で、かつては秩父神社の近くに建立されたお寺でしたが、江戸時代後期に現在の場所に移転しました。

室町時代の長享2年（1488年）の『秩父札所番付』では、この定林寺が1番札所となっていました。どの札所も1番はじめの札所には発願寺と呼ばれ特別な意味や役割があります。この定林寺は、林家が秩父神社との関りが深かったことによるものとする説もあります。

御本尊は、十一面観世音菩薩で、子育てや子宝にご利益があるとされています。

西国・坂東・秩父の日本百観音のご本尊が彫られた梵鐘は、埼玉県の指定有形文化財にも指定されています。

当初の梵鐘は江戸初期に起きた火災で本堂とともに消失したと言われ、現在の梵鐘は、江戸時代の宝暦8年（1758年）に鋳造されたものです。

また、鐘の音が素晴らしいとされ、秩父三名鐘の一つになっています。さらに、お参り前に鐘をつくとお金が入ってくる「入りかね」とも呼ばれているとか。

よく見ると、１つ１つのご本尊の周りには、各札所の御詠歌も刻まれています。

吹放（ふきはなち）の開放的な念仏回廊が特徴的な本堂。

鳳凰、龍、獅子の彫刻、鶴の掲額も美しく印象的です。

檜版で作られた格天井絵紋。それぞれの円の中には、花鳥図は描かれています。

本堂の裏側は回廊になっていて、回廊の中には、本尊の観音様と結ばれた緑色の紐が出ています。

この紐を握ることで観音様と結縁することができ、子育てや子宝のご利益を得ることができるとされています。

アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で、主人公たちの集合場所として登場する定林寺は、アニメファンにとっての聖地。

感動の最終話（11話）では、主人公とその親友たちが、この定林寺でお互いの気持ちをぶつけ合い、再び固い絆を確かめ合う…という重要なシーンが展開されます。

アニメにあまり興味のない方も、アニメで描かれる定林寺と実物は、そっくりそのままなので、ぜひ予習しておきたいですね！

また、境内には、登場人物が描かれた絵馬もたくさん飾られています。ちなみに絵馬は800円です。

納経所には、アニメに関する御守り・おみくじなども販売しています。さらに、納経所の中には、声優さんのサインなどもあるとか、ないとか…。

比較的読みやすい（！？）御朱印。

右から「実正山」、本尊の「十一面観世音」、「定林寺」と書いてあります。

あらましを　思い定めし　林寺　鐘（かね）ききあへず　夢ぞさめける

“林寺”とは、定林寺のことを指します。