「本尊」とは、「御本尊(ごほんぞん)」とも言われ、寺院などにおいて最も大切な信仰の対象として祀られている仏像や経典などを指します。
秩父札所では、各札所ごとに祀られている本尊が異なりますが、最も多く本尊として祀られているのは、「聖観音」(聖観音菩薩)の仏像です。
他にも、「十一面観世音菩薩」、「馬頭観音菩薩」、千手観世音菩薩など、秩父札所には様々な仏像が本尊として祀られています。
秩父札所の本尊は秘仏
秩父札所の本尊は、どれも普段は“秘仏(ひぶつ)”となっています。
秘仏とは、本尊を一般の人たちには公開せず、厨子の中で扉が閉じられた状態で大切に安置している状態のことを指します。
そのため、札所巡りの際も、実際に本尊を拝むことはできません。
しかし、「御前立(おまえだち)」と言って、秘仏となっている厨子の前には、本尊の身代わりの像を置いてあることが多く、その御前立を通して本尊に参拝することができます。
12年に1回の甲午歳総開帳
秩父札所の本尊も、普段は秘仏となっていますが、古くから12年に1回だけ扉が開かれ、本尊が公開されることになっています。
このことを、本尊が安置された厨子の扉が開かれることから、“御開帳(ごかいちょう)”と言います。
秩父札所の御開帳は、秩父札所の創建が文暦元年甲午(きのえうま)の年だったことから「甲午歳総開帳」と言われています。
次回の甲午歳総開帳はいつ?
前回の甲午歳総開帳は、2014年でした。
12年に1回なので、次回の甲午歳総開帳は、2026年になります。
ちょっと先…ですかね。
秩父札所30番法雲寺の本尊は、1年に1回御開帳!
秩父札所30番法雲寺の本尊である如意輪観世音菩薩像は、普段は秘仏として厨子の中に納められています。
しかし、秩父札所では唯一、甲午歳総開帳以外にも御開帳が行われ、毎年4月18日、法雲寺の縁日に開帳されます。